十言神呪(とことのかじり)の神歌
十言神呪(とことのかじり)とは、「ア・マ・テ・ラ・ス・オ・ホ・ミ・カ・ミィ」の10の言葉のことで、これを10回となえる祝詞です。
人はみな、アマテラスオホミカミという言霊素粒子でできており、それを受け取って生命を動かしているため、「ア・マ・テ・ラ・ス・オ・ホ・ミ・カ・ミィ」という言霊を唱えるだけで“すべて”が整うと考えられています。
十言神呪(とことのかじり)について詳しく知りたい方は、「二十一世紀の惟神の道 十言神呪 -神・最高品性に至る三本の道・霊祭道」(宮帯出版・石黒豊信著)を読んでみてください。
今回はその中で紹介されている神歌をご紹介させていただきます。
十言神呪は、「ア・マ・テ・ラ・ス・オ・ホ・ミ・カ・ミィ」の言葉を10回唱えるだけという非常にシンプルな祝詞ですが、下にご紹介する神歌も詠むこともおすすめします。
この神歌はとても素晴らしいので、もっと多くの方に知っていただきたいと思い、まとめさせていただきました。
少し難しい内容ですが、内容をご覧いただくと皆様それぞれに気づきがあるのではないかと思います。
ぜひご覧くださいませ。
カタカムナ・クスリ絵の学校
京都校校長
森 雅之
ア=天照(あまて)らす 御親(みおや)の神の 大調和(みすまる)の 生命(いのち)射手(いて)らし 宇宙(くに)静かなり
マ=まることは 大きさざめの 極みなり まこと開きて 極みなきなり
テ=照る月の 映りてまどか 池にあり など波風に 砕けけるかも
ラ=蘭の香(か)の 貴(とうと) かりける おのがじし 花も葉も根も いそしみてあれば
ス=統(す)ゆみほゆ 光かかふる すめろぎの 御代(みよ)開けてぞ 永遠(とわ)に安けき
オ=大いなる 我悟りなば この身われ 生(な)り成り続くは 誰が為にこそ
ホ=ほのぼのと 朝霧の立つ 深山路(みやまじ)に 母恋ふ雉子(きぎす)の 啼(な)く声(ね)愛(かな)しも
ミ=みそそぎの 聖(きよ)き心を保ちてぞ まことの神は 顕(あら)はるるなれ
カ=輝きは 照り徹(とお)らせり 天津日(あまつひ)の 奇(くす)しくもあるか 優しくもあるか
ミィ=見はるかす 朝日あまねき 碧御空(あおみそら) 星影のはや 見えずなりけり
「二十一世紀の惟神の道 十言神呪 -神・最高品性に至る三本の道・霊祭道」(宮帯出版・石黒豊信著)より引用
次に一つひとつの神歌についての説明をご紹介させていただきます。
ア=天照(あまて)らす 御親(みおや)の神の 大調和(みすまる)の 生命(いのち)射手(いて)らし 宇宙(くに)静かなり
天照大御神はミスマルの珠を輝かせ万物に命を与え続けていると言います。
その御稜威(みいつ)を賜ることによって宇宙は秩序と調和と統一のとれた平安な世界は実現するのです。
人間は一つとして命をいただいていますが、天照大御神の御稜威(みいつ)を射矢に受け、
その御心を実現することに努めなければなりません。
マ=まることは 大きさざめの 極みなり まこと開きて 極みなきなり
大御神より賜った尊い御心の中に誠があります。
人間はこの誠を尽くして生きていくことによって、万物と共に秩序と調和のとれた平安な社会を実現することができるのです。
しかし、誠は尽くしても、尽くし切ることはできないものなのです。
テ=照る月の 映りてまどか 池にあり など波風に 砕けけるかも
誠を尽くしきることができないのは、目に映る波風に浮き沈みをする現象の世界を見ているからです。
人間は五感に支えられた肉体を持っているが、五感のとらえる世界は真実を映しているものではないのです。
人間は五感のとらえる世界ではなく、真実の世界を眺めて生きていかなければいけないのです。
ラ=蘭の香(か)の 貴(とうと) かりける おのがじし 花も葉も根も いそしみてあれば
真実の世界を見ることができるのならば、陰に隠れて己を支えている存在をはっきりと観ることができるようになります。
その隠れた部分にも思いをいたすことによって、人間は秩序と調和と統一のとれた存在となっていきます。
ここにすべてが協同的に働き、人間にとって最も尊い薫り(富、品性)を醸し出すようになるのです。
ス=統(す)ゆみほゆ 光かかふる すめろぎの 御代(みよ)開けてぞ 永遠(とわ)に安けき
蘭の薫りで満ちた貴いものを永遠のものとするためには、さらに高貴なスメロギの命の光の「統」を
御心の中に賜らなければなりません。
こうして初めて、宇宙の万物は秩序と調和と統一のとれた永遠の世界に生きることができるのです。
人間は正しい位置を得ることができるのです。
オ=大いなる 我悟りなば この身われ 生(な)り成り続くは 誰が為にこそ
このように悟る(自覚)することによって真の人間、すなわち大きい我が造られます。
ところで、大我を支える肉体がなりなり(完成から完成へと)続くのは、一体誰のためでしょうか。
神様のためでしょうか。
それとも万物のためでしょうか。
ホ=ほのぼのと 朝霧の立つ 深山路(みやまじ)に 母恋ふ雉子(きぎす)の 啼(な)く声(ね)愛(かな)しも
雉は深い愛情を持つ鳥と言われています。
どこで迷ったのか、朝霧(肉体)の中に母鳥(神様)を捜し求めて啼いています。
人間の心は、神様の御心を知ってか知らずか、肉体という霧に遮られさまよっています。
愛情の深い母鳥の神様はそれをご覧になられて愛おしく感じておられます。
ミ=みそそぎの 聖(きよ)き心を保ちてぞ まことの神は 顕(あら)はるるなれ
霧を祓うためには、禊を実行しなければなりません。
そうすれば、肉体は正常となり、心は清らかになり、自立心を持つことができます。
この清らかな心を持ち続けるならば、誠心(まごころ)が発現し、神様(母鳥)と目合うことができるのです。
カ=輝きは 照り徹(とお)らせり 天津日(あまつひ)の 奇(くす)しくもあるか 優しくもあるか
深い霧も晴れ渡り、神様と目合うことが叶いました。その誠心(まごころ)には太陽の光が燦々と降り注がれています。
太陽の光はなんと神々しく優しくもあるのでしょうか。
その光は肉体の内を隅なく照らし温かく安全に身を包み込んでくれます。
ミィ=見はるかす 朝日あまねき 碧御空(あおみそら) 星影のはや 見えずなりけり
朝日が出ると深い闇の中に閉じ込められていたことが嘘のように、空は明るくなり、
今まで輝いていた星々はもう見えなくなります。
このように肉体が消えると、そこには御心のうちに賜った高貴なスメロギの統の命の光が輝いてきます。
こうして内と外の太陽の恵みの中に人間は秩序と調和と統一のとれた生活を営むことができるのです。
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